みんなで新しい新潟を切り拓く「新潟開港150周年記念事業」
新潟市中心部に位置する新潟港は、全国的にも珍しい川湊で、両岸には海や川とともに生きる「みなとまち」の暮らしが広がります。江戸時代には北前船の寄港地として賑わい、新潟を拠点に人や物、文化が交わる日本海側最大の「みなとまち」として繁栄しました。1869年(明治元年)に、外国へと開かれ、日本海側随一の国際港湾として発展し、2019年には開港150周年を迎えます。
これを契機として、昨年3月、新潟市や新潟県、地域の企業や団体などが一丸となった新潟開港150周年記念事業実行委員会を立ち上げ、地域主体の参加型イベントなどを通し、「みなとまち」の歴史や文化を再認識しながら、新しい新潟を切り拓くプロジェクトが始まりました。
北前船の寄港地から国際港湾に、「みなとまち」として発展を続ける新潟
その後、幕末に締結された安政の五カ国条約で開港五港の一つに指定され、1869年1月1日、新潟港は佐渡夷港(現在の両津港)を補助港として開港します。
その後、北洋漁業への進展などを経て、大正時代には新潟港は近代港湾としてさらに整備が進みました。日本海側を代表する港として、1995年には日本海側唯一の中核国際港湾に、2011年には国際海上輸送網の拠点となる国際拠点港湾に位置付けられるなどの発展を続け、2019年1月1日、開港150周年を迎えます。
オール新潟体制の構築に力を尽くした「新潟開港150周年記念事業」
キャッチコピーは「Starting port みんなでつくる、みなとまち新潟スタート!」。ロゴは、誰でも自由に使えるようにして、さまざまな立場の人々ができることを持ち寄り、相乗効果を生み出せる仕組みづくりに心を配りました。
記念事業の本格的なスタートを飾った「海フェスタにいがた」
事業の実施期間は、2017年度から3カ年。キックオフイベントとして今年7月に開催した「海フェスタにいがた」では、港の歴史を学ぶ展示や船舶の一般公開・体験乗船など、楽しみながら暮らしと海との繋がりを紹介しました。
今年度だけでも、実行委員や企業、市民団体などが主体となった200を超える事業やイベントが予定されています。
新しい「みなとまち新潟」ブランド「Nii port」
皆が主体的に「みなとまち新潟」をPRし、賑わいを創り出す
例えば、企業から古町芸妓の写真やイラストを商品のラベルなどに使用したいというアイデアが生まれ、今では20社以上が参加し、ビールや菓子、切手など身近な商品を通して、多くの人が「みなとまち新潟」に触れています。
また、新潟在住のアイドルNegiccoは、バスの車体を「ネギ」のモチーフでラッピングしました。側面には路線の風景を取り入れ、車内アナウンスも担当したそうです。週末にはこのバスを目当てに多くの観光客が訪れるなど賑わっています。
「みなとまち新潟」への思いが、新しい新潟を切り拓く
「老舗の企業の方からは『新潟に港があったからこそ、わが社は発展できた』と言われます。『みなとまち新潟』に対する地域の思いが、プロジェクトの大きな力になっています」と水野利数部次長。
今、新潟ではコンビニや工事現場などさまざまな場所で記念事業のポスターを目にします。ロゴ・キャッチコピー・ステートメントの一節にあるように、あらゆるものが行き交い、出会い、融合し、またときにはぶつかりながら、皆が新しい新潟の船出を支えています。