東北エネルギー懇談会

ひろば508号|特集1 <要約版>

脱炭素が地域経済にもたらす影響 〜「負の側面」にも目配りした対策を〜
産経新聞東京本社 論説委員室 論説委員 井伊 重之

・ カーボンニュートラル政策は、温室効果ガスの排出削減や再生可能エネルギーの拡大などを通し、新たな産業の育成と雇用の創出などが期待されている。

 

・ 一方で、化石燃料の使用を抑えるこの取り組みは、社会全体に厳しいエネルギー転換を迫るもので、各方面に様々な影響をもたらすことは避けられない。

 

・ 特に生活や産業に化石燃料を使用している地域経済にとって、この取り組みは大きな負担を強いられる。そこで、社会的な亀裂を回避するため、円滑な移行を促す「ジャスト・トランジション(公正な移行)」という考え方が必要だ。

 

・ 再生エネは、発電量が天候などに左右される。他国に比べて日本はエネルギー輸入に依存しているという弱点があり、政府はこれを認識し、脱炭素化のみではなく電力の安定供給にも責務を負っている点を忘れてはならない。

 

・ 政府は、脱炭素化の目標を示した以上、その実現に向けた工程も明確に提示し、国民や産業界の理解を得る努力を忘れてはならない。脱炭素化の「負の側面」にも配慮し、対策を講じていく必要がある。

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