東北エネルギー懇談会

ひろば524号|せとふみのe report <要約版>

エネルギーミックスを支える現場から―技術者たちの思い―
〜量子科学技術研究開発機構(QST)六ヶ所フュージョンエネルギー研究所〜
サイエンスライター 瀬戸 文美氏

・量子科学技術研究開発機構 六ヶ所フュージョンエネルギー研究所では、「核融合」反応をエネルギー源にするための研究開発が行われている。燃料であるウランの原子核が核分裂するときに発生するエネルギーを利用して発電するのが原子力発電。これに対して核融合発電は、燃料の重水素と三重水素を超高温のプラズマ状態にして核融合反応を起こさせ、その膨大なエネルギーを利用して発電する。

 

・六ヶ所研究所では、この核融合エネルギーによる発電を実証するための原型炉の建設に必要な技術基盤を構築し、今世紀中葉には実用化することを目指して各種研究開発を行っている。

 

・六ヶ所研究所では、核融合炉のいちばん内側に設置され、膨大なエネルギーの中性子を受け止める装置「ブランケット」に使用する特殊素材の開発に向け、核融合で発生する時と同様のエネルギーを持つ中性子を発生させ、素材に衝突させるためのIFMIF(国際核融合材料照射施設)原型加速器の開発という世界プロジェクトを進めている。

 

・今回お話を伺った核融合炉材料研究開発部・IFMIF加速器施設開発グループの武石沙綾さんは、この加速器の冷却装置の維持・管理業務という重要な役割を担っている。

 

・前例がない装置の試験でマニュアルや決まった業務というのがなく、自分で考えて苦労しながら手探りで進んでいくことが多いが、グループのメンバーと協力し信頼を得て、将来的には「マルチに動ける技術者」へと成長していきたいと語った。

 

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