新聞記者の目から見た「原子力発電に関する報道」については、多様な論点が展開されています。
当懇談会では、様々な記者経験者(現役の方を含みます)の方から、エネルギーや原子力、さらには社会事象についてのメディアから見た情報発信の形を「ひろば」で掲載しております。
例えば①では、“結論ありきの報道”になりがちなメディアの特徴、「建前論」が先行するエネルギーや原子力問題、 “エネルギーの安全保障”を前提とした議論が必要であるなど、読者にとって興味深い新聞の実像に迫る内容が紹介されています。
また②では、メディアからの情報が重要ではあるが、現実は「科学的な話よりも面白い話」、「安全な話よりも怖い話」、「統計的な話よりも例外的な話」がニュースになることが多く、これがニュースの方程式であること等が紹介されています。
さらには、リスクを示すと正しいことを言っている気になるが、メリットも含めて全体の姿を表現し、総合的に判断すべきで、原発に慎重な人は清く正しい人で、原発推進の人はとても腹黒くて嫌なやつという見方はおかしい、背景となるその国の置かれた環境によって結果は全く違うことに気付くべき、などの指摘もあります(④)。
そして⑤では、アメリカの核実験により「第五福竜丸」が被ばくした事件(1954年)、日露戦争後の講和条約(1951年)への誤解、最近ではハンセン病への誤解など、メディアが反省しなければならない事例として紹介されています。
このように、自分の所属する新聞社を批判したりする等、いろいろな背景の中で真実を報道すべきであるという一貫した流れがそこには貫かれており、大変、読み応えがあります。