郷土の味・絶景を楽しむ
喜多方 北塩原を「食す」「愛でる」

喜多方は全国的にラーメンで有名ですが、独自の食文化も魅力です。会津藩に納めてきた北塩原の山塩は希少性や味わいが評価される一方で喜多方は街並みや豊かな自然も見どころです。季節に合わせ、様々な花や紅葉は見逃せません。そこで、注目される味・絶景を紹介します。

食す

会津山塩とは?

不純物などを取り除く品質検査の工程
不純物などを取り除く品質検査の工程
会津山塩は、磐梯山のふもと、弘法大師の開湯伝説がある北塩原村の大塩裏磐梯温泉の源泉を利用して製造されています。太古の海水がグリーンターフと呼ばれる地層に閉じ込められ、高温の地下水に溶け出した高濃度の温泉水を煮詰めて作ります。海水とは異なる特殊な泉質で、独特な風味が特徴です。その歴史は古く、江戸時代は盛んに製造されて会津藩に納められ、明治時代には皇室にも献上。その後、塩の専売制度下で製造できませんでしたが、2005年に試験製造を始め、2007年に会津山塩企業組合を設立、製造を本格的に再開しました。

会津山塩グルメ

会津山塩食堂

会津若松駅構内にある会津山塩食堂は、会津山塩企業組合が運営するアンテナショップで2021年にオープンしました。交通の要となる会津若松駅に立地するため、地元住民をはじめ、多くの観光客が気軽に立ち寄れるのが魅力の一つ。メニューも豊富で会津山塩を使ったものが多く、味わい深い会津山塩ラーメンを筆頭に、さわやかさが特徴の会津山塩レモンラーメン、会津山塩ソースカツカレーなども目を引きます。最近メニューに登場したのが会津山塩ところてん。酸味を抑えた特製の山塩だれで食べるため、寒天ののど越しを楽しめます。また、セットで提供される山塩ようかんは、ほんのり塩味を感じる和のスイーツとして是非おすすめ。このほか、食堂内では、会津山塩関連商品を取りそろえて販売しています。おみやげとして会津山塩ラーメン、会津山塩チャーシュー麺セットなどが人気です。

会津山塩ラーメン
会津山塩ラーメン
特製の山塩だれで食べる会津山塩ところてんと会津山塩ようかん
特製の山塩だれで食べる
会津山塩ところてんと会津山塩ようかん

https://www.livit.jregroup.ne.jp/detail/1237

カフェテラス わさび

会津の工芸品を幅広く扱っている喜多方駅近くの木之本漆器店。その敷地には会津に伝わる蒔絵を施したオリジナルな手作り商品をはじめ、様々な工芸品が陳列され、猫など約500体以上の「桐の粉人形」を展示するメインの建物「工芸館 木之本」があります。その隣に蔵をリノベーションして2019年秋にオープンしたのが「カフェテラス わさび」。くつろぎのスペースであるオープンデッキをはじめ、テイクアウトカウンターも備えています。メニューを見ると、ボリュームのあるハンバーグ、豚肉の生姜焼きなど、がっつりしたランチのほか、スイーツも豊富。その中で食べて欲しいのは、山塩プリンブリュレです。表面はこんがりと焼き目がつき、最初の食感はカリっと、そして甘さとほのかに塩味がきいた濃厚なプリンが口の中いっぱいに広がります。種類の多いクレープでは、山塩プリンや山塩プリンブリュレを添えたものも。食べ歩きの箸休めにいかがでしょうか。

山塩プリンブリュレと山塩プリンが載ったクレープ
山塩プリンブリュレと山塩プリンが載ったクレープ
木之本漆器店の敷地内にある店舗外観
木之本漆器店の敷地内にある店舗外観

https://www.aizu-kinomoto.com/wasabi.php

https://aizu-inakaya.com/

シンプルで優しい味わいの会津山塩らーめん
シンプルで優しい味わいの会津山塩らーめん

会津 田舎家

喜多方市役所の目の前、会津の郷土料理が気軽に味わえるお店です。馬肉をはじめ、「にしんの山椒漬け」「いか人参」、具沢山の汁物である「こづゆ」のほか、地産地消の数々の逸品が楽しめます。他のメニューではしめの一品として注文される会津山塩らーめん。具はシンプルで喜多方ならではのちぢれ麵、山塩が醸す優しい味です。山塩をもっとしっかり感じたいなら、店主のおすすめは塩むすびとのこと。

https://aizu-inakaya.com/

「絶景を愛でる」

日中線しだれ桜並木
長床(ながとこ)の大イチョウ

http://www.kitakata-kanko.jp/

日中線のしだれ桜とかつて運行されていたSL
日中線のしだれ桜とかつて運行されていたSL
長床の大イチョウの紅葉
長床の大イチョウは紅葉の時期の喜多方では一番のおすすめ

喜多方は春から秋にかけて様々な花が楽しめ、秋には紅葉がおすすめです。春は桜がイチ押し。代表的な観光スポットが日中線のしだれ桜並木です。日中線は喜多方駅から旧熱塩加納村(現喜多方市)の熱塩駅までの11.6kmをつないだ路線で、1938年に開業しました。その後、幾多の変遷の中で利用客は伸び悩み、貨物営業も安定せず、赤字路線からの脱却がかなわず1984年に惜しまれながら全線廃止となりました。
その後、日中線の跡地の一部が遊歩道として残され、喜多方駅から徒歩約5分の遊歩道入口から全長約3kmの区間には、約1000本のしだれ桜が植栽されました。長い冬から春の到来を告げる満開の桜を一目見ようと、毎年大勢の観光客が訪れます。
このほか、春は福寿草や菜の花、夏はアジサイやショウブ、ひまわりなどが喜多方の各所で見ごろを迎えます。初夏の雄国沼湿原はニッコウキスゲ、レンゲツツジなどの高山植物が楽しめます。
秋は長床の大イチョウが注目です。1055年源頼義の勧進とされる新宮熊野神社は熊野三山をまつり、内部に仕切りや建具がなく吹き抜け構造が特徴の拝殿の長床が有名です。ここは修験者の道場として、また神楽などの祭礼にも使われたといいます。その長床の傍らに根を下ろすのが樹齢850年といわれる神木の大イチョウ。秋の紅葉の季節には、長床の周りがおびただしい落ち葉で黄色のじゅうたんのように見えるほど。恒例のライトアップは、幻想的な雰囲気に包まれます。

http://www.kitakata-kanko.jp/