茶道文化に魅せられて 会津の茶道
城下町である会津若松の基礎を築いた戦国武将の蒲生氏郷。実は千利休を師と仰ぐ一流の茶人でした。その当時に創建されたと伝わるのが、鶴ヶ城内の茶室「麟閣」です。そうした歴史に思いをはせ、現在は、大正浪漫調のまちづくりで観光客が集まる市中心部の七日町通りは、抹茶とスイーツを提供するカフェも多く、気軽に茶の湯の世界を楽しめます。会津の茶道を巡る過去・現在・未来を紹介します。
歴史
会津の茶道文化 歴史をひもとく
戦国時代、会津は葦名家が長年治め、伊達政宗入府後、豊臣秀吉の命を受け、1590年に松阪から移封されたのが蒲生氏郷です。氏郷は秀吉の右腕として活躍した有能な武将であり、キリシタン大名でした。領主として鶴ヶ城を築き、「若松」の地名を使い始め、まちづくりや商工業の発展などに尽力しました。
茶人でもある氏郷は、「利休七哲」と呼ばれる武将の弟子の中では筆頭に挙げられ、茶の湯に精通していました。
秀吉の逆鱗に触れて利休が切腹した際には、氏郷は利休の茶道が途絶えるのを危惧し、継承者の子である千少庵を会津にかくまい、「千家再興」に心を砕いたとされます。そのかいあって、少庵の孫の世代、現代につながる武者小路千家、表千家、裏千家の三千家が興されました。
茶室「麟閣」は、少庵が氏郷のために建てたと伝わり、長く鶴ヶ城内で大切に使われていました。しかし、戊辰戦争後に鶴ヶ城が取り壊される時には、この茶室も同時に失われないよう、地元の茶人である森川善兵衛が自宅に移築し保全に努めました。それが1990年、市制90周年を記念して現在の場所に移築され、現在は多くの観光客が訪れています。



現代
現代に息づく茶道
会津若松は、蒲生氏郷、千利休、その子である千少庵らにまつわる茶道の歴史が刻まれた場所です。今は茶の湯を親しめるのは、茶室「麟閣」や江戸時代の領主の別荘として使用された「御薬園」(国指定名勝会津松平氏庭園)などが有名です。
「麟閣」には観光客が詰めかけ、時には茶室で会津の茶道文化や「麟閣」の歴史を学びながら、抹茶と菓子を楽しみ、気軽に茶道に触れることができるイベントも。また敷地内には抹茶を味わうことができるお茶席が設けられています。
また、七日町通りまちなみ協議会では、市民が茶の湯をもっと気軽に楽しみ、観光にもつなげようとしています。氏郷の茶道にまつわる歴史を広く紹介し、レトロな雰囲気が人気の七日町を「茶の湯の街」にするため、抹茶を気軽に味わえるイベントや茶道無料体験教室を行っています。


あいづ浪漫亭 しおぐら
花しぼりあんこ自家製抹茶プリン
大正時代の豪商の風情を色濃く残す蔵と商家建築がある「福西本店」。このエリア内にある食事処です。江戸時代に建てられた蔵をリノベーションし、内部は和モダンでシックな雰囲気です。地元の食材を使用したメニューも多く、スイーツは、こだわりの特製手作りあんみつをはじめ、会津坂下町産の「会津のべこの乳」を使った特製プリンなどが人気です。特に花しぼりあんこ自家製抹茶プリンは絶品で、白あんで形作る花弁の鮮やかな色彩が目を引きます。白あん自体は控えめな甘さで舌触りが非常になめらか。トロトロの抹茶プリンとのマリアージュがおすすめです。


https://www.mochicafe-yui.com/


なぬか町茶房 結
抹茶パフェ
会津若松市で唯一、会津磐梯山と猪苗代湖を一望できる湊町に伝わる「豆腐もち」。木綿豆腐に醤油、ダシ、油を混ぜて加熱したものをおもちに絡めた郷土料理です。明治の頃から食べられ、正月や冠婚葬祭などの特別な時にふるまわれたそうです。この「豆腐もち」発祥の豆腐屋である「清水茶屋」の味を継承し、七日町に2016年、「もちカフェ」としてオープン。落ち着いた店構えで、店内は素朴な和のテイストのしつらえ。自慢の「豆腐もち」などのおもちをはじめ、和スイーツ、コーヒーなどを提供しています。スイーツの中では、もちアイスの「雪うさぎ」、「もちパフェ」は定番ですが、抹茶をふんだんに使用した「抹茶パフェ」も人気で抹茶、抹茶プリン、抹茶ゼリー、抹茶アイスをふんだんに使用し、粒あん、白玉なども入った食感も楽しい贅沢なスイーツです。
「まち歩きスイーツ」
会津若松で気軽にカフェめぐりを!
一般財団法人会津若松観光ビューローは、2024年4月から2025年3月まで、会津若松市内のスイーツを気軽に楽しんでもらう「まち歩きスイーツ」を展開。スイーツを提供する14店舗などが参加。店舗ごと500円・1000円コースのスイーツがお得に楽しめます。飲食・購入などでスタンプがゲットでき、2個集めれば、500円で日帰り温泉に入ることができ、3個以上では素敵な景品があたる抽選会へ応募できます。
https://www.aizukanko.com/feature/machiarukisui-tu&cafe/zyoukamachi-sansaku2024