当懇談会では、近年の異常気象の誘因の一つとして地球温暖化問題を捉え、エネルギーの観点から専門家の考えを「ひろば」でも発信してまいりました(①②)。
そのような中で、2019年4月に、総理大臣官邸で「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略策定に向けた懇談会」(③)が開催されました。
この議論を踏まえ、首相は、「もはや温暖化対策は、企業にとってコストではない。競争力の源泉である。 環境問題への対応に積極的な企業には世界中から資金が集まり、次なる成長と、更なる対策が可能となる。この環境と成長の好循環を加速することによって、世界において環境政策のパラダイム転換を起こしていきたい」と挨拶されました。
この懇談会の下で策定された長期戦略(④)では、今世紀後半の早期に「脱炭素社会」の実現を目指し、方向として、太陽光や風力などの主力電源化や温暖化対策を「成長戦略」と位置付けたのが大きな特徴です。
その中では、従来にはない「非連続的イノベーション」の推進として、
㋐ CO2の地中貯留技術(CCS)を2030年までに導入し、
㋑ CO2を燃料や建設資材などに作り替える技術(CCU)を2030年以降の実用化を目指す。
㋒ また、水素の製造費を2050年までに現在の1割以下(天然ガスより割安)にして普及を促し、
㋓ さらに、事故の危険性を抑えるとされる次世代原子炉の開発を進める
ことが盛り込まれています。
一方、国の環境問題を所管する環境省において策定される「地球温暖化対策計画」(⑤)、それを含む施策全体(⑥)を紹介します。いずれ、地球温暖化対策は、社会や経済に大きく影響を与えるものであり、最新の動きを含めて注視が必要です。
また、⑧以降は、資源エネルギー庁で人気のあるリンク先や、様々な団体が注意を喚起する内容であり、いずれも興味深いものがあります。
例えば⑭は30年後(2050年)、そして⑮は80年後(2100年)の天気予報を描いた未来予想の映像です。特に、⑮の夏は、最高気温が仙台で41.1℃、東京で43.3℃、真夏日も東京で60日と予想されています。また、台風の予想は、最大風速90m/s(870hpa)とされるなど、驚異的な数字となっていますので、ご参照ください。