東北エネルギー懇談会

ひろば525号|せとふみのe report <要約版>

エネルギーミックスを支える現場から―技術者たちの思い―
〜東北電力株式会社 新潟火力発電所〜
サイエンスライター 瀬戸 文美氏

・新潟火力発電所は東北電力初の日本海側の大規模火力発電所として、1963年に1号機が運転を開始。その後2〜4号機が次々に運転を開始し、火力発電に求められる役割変化に応じてその姿を変えながら60年の間、発電を続けてきた。

 

・2023年10月、現在唯一稼働している5号系列の5-1号機において、二酸化炭素の排出量を削減するため、事業用のガスコンバインドサイクル発電では国内初の試みとして、燃料である天然ガスに1%の水素を混ぜる「水素混焼試験」が行われた。

 

・新潟火力発電所は、再生可能エネルギー導入拡大にともない、太陽光や風力の出力変動をカバーする調整電源としての役割を担っている。その中で「火力の脱炭素化」に向けた施策の一つである水素混焼試験を実証した意義は大きい。その水素混焼試験の現場担当として、当時コンバインド発電グループ運転員の佐藤那智さんがバルブ操作という重要な役割を果たした。

 

・日本初の試みに参加できたことは貴重な経験だった。この操作をしたらどうなるか、想定と異なったらどう対応するか、安全のために予知し備えるという日頃の心構えと経験が役に立った。これからも豊富な知識を身につけ、広い目線で「電力」を考え、生み出していけるよう経験を積んでいきたいと語った。

 

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