2回目は東北電力(株)の三居沢発電所、三居沢電気百年館の見学やエネルギー勉強会を実施しました。
仙台を象徴する一級河川「広瀬川」の水を利用する三居沢発電所の歴史は、1888年7月1日、宮城紡績会社の工場で機械の動力になっていた水車に直流発電機を取り付け、工場内に50灯の電灯などを点灯したのが始まりです。全国的にも珍しい市街地にある発電所で、日本の水力発電発祥の地としても知られています。三居沢電気百年館は、東北の電気誕生から100年を記念して、1988年に発電所の隣に建てられたものです。
まず、百年館では、運営員の方から発電所の歴史や発電の仕組みなどについて説明してもらいました。三居沢発電所は、広瀬川上流から取水した水を、発電所の裏山の水槽から一気に落下させ、水車を回すことで発電しています。1978年に無人化され、現在は福島県会津若松市にある水力運用センターから遠隔で管理や制御が行われています。
参加者の皆さんは、2階のベランダから当時のずい道トンネルの遺構や「水圧鉄管」を見学。
「水圧鉄管」は水槽から水車に水を送る役割を持っています。実際にヘルメットをつけて急な階段を上がり、近くから見てみると、水槽から水を一気に落下させて水車を回す水力発電所の仕組みが、より実感できました。
続いて、「発電所建屋」の見学です。1908年に建てられた木造平屋建ての建屋は、建屋自体が国登録有形文化財に登録されているほか、発電所関係機器ならびに資料群などが経済産業省の「近代化産業遺産群」に認定されています。普段は立ち入ることができない建屋内部だけに、参加者の皆さんは案内してくれた東北電力の方に積極的に質問しながら、間近で水車や発電機などを見学していました。
三居沢発電所の最大出力は1,000kW。火力発電所や原子力発電所に比べると規模が小さめです。県内では珍しい横軸の「フランシス水車」が設置されているのも特徴です。参加者は古い建物や機器が大切に補修されながら、受け継がれている様子を肌で感じ、生活には欠かせない電気の歴史に思いを馳せていました。