
今回、発電所で現場の声を聴いたり、専門家から日本のエネルギー状況について伺ったりしたことで、視野を広くもち想像することができました。「想像すること」。スイッチひとつで使える環境で育った私たち世代は、電気が安定して使えなくなるかもしれないことなど、おそらく想像したことはありません。今回、同世代の女性たちとともに学び、語り合うなかで、「想像することこそ、現状を変える小さくも大きな一歩だ」と強く感じました。





防潮堤を間近で見上げるとその巨大さに圧倒されます。海抜29メートル、全長約800メートルにも及ぶ壁は、一度完成となるも「新たなリスクの視点」が指摘されたことで再び作り直しているとのこと。万が一の安全対策に終わりはない、を目の当たりにしました。


東北で初めての電気のあかりは1888年。冒頭にも記したように、あまりにも当たり前に使っていた電気のありがたみを教えてくれる場所でした。ちなみに、冬には凍る滝、春には咲き誇る桜の名所となるそう。こんな身近に、電気を体感できる場所があるのだからぜひ訪れてほしい。

石炭、天然ガスなどの火力発電、原子力発電、太陽光や風力などの再生可能エネルギー等、それぞれにメリット・デメリットがあり、完全無欠な発電方法は無い。「最適なバランスを探ることが必要だ」と伺った時、はたと気づきました。これは、ラジオ局での番組づくりと同じではないか?スタッフそれぞれに得手・不得手があることを承知したうえで、最大限に個々の力を発揮し、チームとして最大の価値を生み出すーー。きっと、どんな仕事であってもチームとはそう出来ているはず。メンバー1人だけに過度に業務が偏らないように配慮することも重要なリスクマネジメント。エネルギーミックスも同じですね。その際、よく知らない相手と組むことに対する不安というのは人同士だってあるのだから、エネルギーに対してももちろんある。だからこそ、私たちはまずは知ること、想像することから始めなければならないのだと思うのです。短絡的に「絶対にこれはダメだ」「この人とは絶対に分かりあえない~」と言い切ることは、想像を止めてしまっているのではないでしょうか。


東北エネルギー懇談会の皆さんには、こうした機会を今後も継続的に設けてほしいと願います。
最後に、これから子育てに取り組むかもしれない私たちが、大切な子ども・孫・ひ孫の世代にわたって安心してエネルギーを利用できるように、知識を深め、想像していきませんか?

仙台在住のフリーアナウンサー。
石川県出身。震災報道に携わりたいと志願し、2013年に宮城へ移住。
NHK仙台放送局「てれまさむね」でキャスターを4年間務め、2017年よりフリーアナウンサーに転身。
現在は、ラジオパーソナリティとしてFM仙台「Morning Brush」木曜金曜を担当するほか、音楽コンサートMCやイベント司会、ナレーションなど幅広く活動中。
石川県出身。震災報道に携わりたいと志願し、2013年に宮城へ移住。
NHK仙台放送局「てれまさむね」でキャスターを4年間務め、2017年よりフリーアナウンサーに転身。
現在は、ラジオパーソナリティとしてFM仙台「Morning Brush」木曜金曜を担当するほか、音楽コンサートMCやイベント司会、ナレーションなど幅広く活動中。
(2021年12月現在)